ママと恋に落ちるまで シーズン8 第13話より:

let up
(雨や雪が)やむ、静まる、(活動が)おさまる、気を抜く、一段落つく


ロビンとバーニーが紆余曲折の末、婚約する。

皆の前ではそれを喜ぶテッドだったが、内心では大変なショックを受けていた。

彼らが結婚式でバンドを呼びたがっているのを知り、
ロビンに結婚して欲しくないあまり、テッドは匿名で先に予約を入れて
彼らの結婚式の予定を妨害してしまう。

そんなテッドなりの抵抗と悲しみを感じ取ったリリーは
屋上に彼を呼び出し、皆には言えない本当の気持ちを吐き出すよう迫る。

人が聞いたら酷い人間だと思われるような事、でも胸につかえて苦しい事、
それを互いに吐き出そうと、リリーが先に口火を切る。

Sometimes I wish I wasn’t a mom.
私は時々母親を辞めたくなる。(リリー)

Sometimes I want to pack a bag and leave in the middle of the night and not come back.
夜中に荷物をまとめて逃げ出したくなるの。(リリー)

(中略)

I mean, I love being a mom, and I love Marvin so much.
母親になれたのは嬉しいし、マーヴィンの事は本当に愛してる。(リリー)

But do you remember when I wanted to be an artist?
でも私は昔から画家になりたかったの、覚えてる?(リリー)

Art was my whole life.
絵が私の全てだった。(リリー)

And now it’s been months since I’ve even picked up a brush.
なのにもう何ヶ月も筆を握ってない。(リリー)

I spend the whole day taking care of kids at my job, and I come home and it’s more of the same.
仕事で子供たちの世話をして、帰ってきたらまた同じ事を。(リリー)

It just, it never lets up, it’s just really, really hard, Ted.
終わりがない、それがものすごくつらいの。(リリー)

(中略)

I just think we have to accept our lots in life,
私たち、自分の運命を受け入れるべきなのかもね、(リリー)

and I have to be a mom to a beautiful, wonderful, if slightly constipated little boy,
私の場合は母親、美してすばらしくて、少し便秘気味の男の子のね、(リリー)

and you have to let Robin and Barney get a band.
あなたはロビンとバーニーの結婚式にバンドを呼んであげるの。(リリー)


more of the same「ほぼ同じ、相変わらずの、変わり映えのしない」。

I spend the whole day taking care of kids at my job
(私は仕事で一日を子供の世話で費やす)
and I come home and it’s more of the same
(そして帰宅したら、また同じ事を)

そして let up は「(雨や雪が)やむ、静まる、(活動が)おさまる、気を抜く、一段落つく」。

リリーは it never lets up(それはおさまる事がない)=「終わりがない」。

ここで言う it「それ」とは、幼子の世話全般、という意味だと思いますが
リリーの仕事は幼稚園の教諭なので、本当に一日中、就学前の子供と過ごしているわけで
想像するだけでも大変そうです・・・。

lot「くじ引き、分け前、運命、区画、敷地」。

one’s lot in life(その人の人生の区画・その人の定められた道)
=「その人の運命」。

人の運命を表す言葉には他にも
fate「(変えようのない)運命・宿命」、destiny「(与えられた、託された)運命」などがあり、
fate はどちらかというと避けられない運命(災難に遭うなど)を意味し
destiny は天から賜った宿命(才能)、親から託された運命とか、
良い意味で運命を感じる際に使われる単語とされています。

Destiny’s Child「(天から歌うべくさだめられた)運命の子供たち」みたいな
グループ名もありますよね。

今回の one’s lot in life は自分の人生の受け持ち分、
嬉しいも悲しいもひっくるめて、自分の受け持ちなのだ、みたいな感じで
fate や destiny ほどドラマティックでなく、使いやすい表現だなと思いました。

I just think we have to accept our lots in life
(思うに、私たちは自分の運命を受け入れるべき)。

これは誰にも当てはまる言葉かもしれませんね。

constipated「便秘している、便秘気味の」。

普段意識していないんですけど、世の中に居る子供、若者、お年寄り、
母親、父親、祖母、祖父・・・自分も含めて皆、なってみて初めてその立場を経験しているんですよね。

だからお母さんだからといって、いつも優しく寛容なわけもない、
傷つきもするし、しんどくもなる、そういう事を改めて考えされられるシーンでした。


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