モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン4 第10話より:

put one’s foot down
断固とした態度を取る、てこでも動かない


東京でのコンクールののち、
再びNYで日本人投資家・フクモト氏と面会するNY交響楽団の面々。

残念ながら楽団への寄付は、白紙に戻したいと伝えられてしまう。

フクモトの言い分は、今の楽団には統率力が足りないというものだが
グロリアはもしそれがロドリゴの不振を指しているとすれば
それでも自分は彼を切るつもりはないと断言する。

I’m withdrawing my donation.
寄付の話は白紙に。(フクモト)

Oh, don’t say it!
そんな事言わないで!(グロリア)

(中略)

I just feel that the current leadership at the symphony is not strong enough.
今の楽団にはまとまりがないと感じるんです。(フクモト)

Well, if you think she can run this place any better than I can…
もし彼女の方が私より上手く仕切れるとお考えなら・・・(グロリア)

What? I don’t want to run this place. I miss playing.
えっ? 私は経営なんてイヤよ。演奏が好きだもの。(ベティ)

(中略)

Look, anyone who doesn’t have their head up their ass knows that you’re not the problem with this place.
よほどのアホでない限り、問題は君じゃないってことは皆分かってる。(トーマス)

I hope you’re not referring to the brilliant Maestro DeSousa,
ロドリゴのことじゃないわよね、(グロリア)

because that’s where I put my foot down.
彼を手放す気は絶対にありませんからね。(グロリア)


withdraw~「~を引っ込める、退かせる、引き出す、撤退する」。

I’m withdrawing my donation(寄付の申し出を引っ込める)
=「寄付の話は白紙に」。

海外のATMで見かける withdraw(引き出し)は
他にもこんな意味があったんですね。

current「今の、現在の」。

leadership「統率力、リーダーシップ、指導者の地位・職務」。

the current leadership at the symphony is not strong enough
(楽団の現在の統率力は充分強いとは言えない)
=「今の楽団にはまとまりがない」。

have one’s head up one’s ass「頭のおかしい、寝ぼけている、考えの間違っている」。

refer to~「~に言及する、~を参照する」。

フクモトの言う統率力の無さとは、具体的に誰の事なのか?

グロリアはもし自分でないなら、ロドリゴのせいだと言いたいのかと突っ込みます。

そして put one’s foot down は「断固とした態度を取る、てこでも動かない」。

何と言われようとドッシリ地面に足を踏ん張って、そこから一歩も動く気はない
自分の意見・主張について折れるつもりはない
=「断固とした態度を取る、てこでも動かない」。

that’s where I put my foot down(それについては、私はてこでも動かない)
=「彼を手放す気は絶対にない」。

例え、ロドリゴをクビにすれば寄付をすると言われても
その点だけは妥協するつもりはない、という感じでしょうか。

フクモト氏はソフトウェア開発会社を持っていて
歴代の名指揮者の情報をインプットした指揮者ロボットを開発中。

ロドリゴはそのプロジェクトに真っ向からノーを突き付けたという経緯があります。

あと10年もすれば、AIが人間の仕事を奪うと言われていますが
いくらテクニックが優れていても、指揮者がロボットでは、
人間の感動は薄れるというロドリゴ。

今はドラマの中の話ですが、そのうち現実になりそうで
音楽家(芸術家)の未来についても考えてしまう話ですよね。


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