ゴシップガール シーズン1 第4話より:
fair and square
公明正大な、正しい、不正無しで
チャックは父親の所有するホテルで優雅に暮らしており、たびたび週末にパーティーを開いている。
その恒例のチャックのパーティーにある時、元クラスメイトのカーターが紛れ込んでくる。
カーターは富裕な家の出身であったが、学校をドロップアウトし、
実家から勘当された今は、自由に世界中を旅しているという。
チャックはそんなカーターにうさん臭さを感じるが、
ネイトは彼の自由な人生に憧れ、彼の世界に興味を抱く。
カーターの出現により、恵まれた生活に浸り切りそれを良しとするチャックと
自分の環境に疑問を感じ始めたネイトの間に次第に不協和音が生じ始めるが
ある日チャックは自室から高価な品々が盗まれている事に気づき
それがカーターの仕業であること、更に彼の本性を悟る。
その頃カーターはネイトをカモにポーカーで大金をせしめようと企んでおり
ネイトはまんまとその罠にはまり込んでいたのだった。
ネイトからのSOSを受け、チャックは現場に駆け付ける。
Who let you in here, Bass?
誰がお前をここに入れたんだ、バス?(カーター)
He set me up!
彼にハメられたんだ!(ネイト)
No one forced his hand.
誰も無理強いしちゃいないぜ。(カーター)
Your boy lost fair and square.
あんたのお友達がただ負けただけだ。(カーター)
(中略)
Look, you got my watch and my ball.
おい、お前俺の時計とサインボールを盗んだよな。(チャック)
You keep them. Take care of these guys.
そいつはくれてやるから。この場を収めろ。(チャック)
I don’t call the cops, and we walk out of here.
俺も警察は呼ばない、それでこの件は終わりだ。(チャック)
…It’s cool. I… I got it. I got it.
・・・話はついた。 もういい、もういいよ。(カーター)
force one’s hand 「(カードの手札を)無理やり明かさせる、(人に何かを)無理強いする」。
この場面はカーターとネイトは賭けポーカーをやっていて、
ネイトが1万ドル負けてしまい、今すぐ払えと恫喝されている状況です。
force one’s hand はそういったカードゲームで
「不正に手札を覗く、計略を巡らせて手札を明かさせる(結果その人が不利になる)」
という意味、それと「(人に何かを)無理強いする」という意味があり
今回はどちらの意味も当てはまる状況です。
そして fair and square は「公明正大な、正しい、不正無しで」ということで
ネイトはハメられたと言っているけど、彼はただ弱くて負けただけ、不正は無いと言っているんですね。
そりゃお坊ちゃまがセミプロに囲まれたらフツーに負けますよ、うん・・・。
it’s cool は、直訳すると「それは冷たい」ですが、
cool には「カッコいい、イケてる、良い、(その話に)賛成」といった意味があり
ここでは「(その条件で)良い、了解した」となります。
カーターはチャックのピアジェの時計と、メジャーリーガーのお宝サインボールを盗ったので
売ればまあ1万ドルにはなるかな?という感じでしょうか。
お金に囲まれた生活に嫌気がさして飛び出したけど、
今度はお金に困って昔の知り合いを裏切って・・・と
結局お金に振り回されてしまうカーターくんです。
チャックはこの後、立て替えてくれたお金は必ず返すからと詫びるネイトに
it was worth every cent to see the last of that guy(奴の最後が見れたから十分その価値はあった)
つまり返さなくて良い、と言うんですが、
生まれた時から金品目当てで近づいてくる人を見慣れているのか、
ショックを受けているネイトとは違い、意外と大人なんですね。