ゴシップガール シーズン2 第7話より:

get by
(困難な状況を)何とか切り抜ける、どうにかしのぐ


ネイトは父が逃亡中、母も経済状況改善に走り回っているため
ほとんどの時間を家で独りで過ごしているのだが、
実はアーチボルト家の家財は根こそぎ差し押さえられていた。

ネイトは差し押さえられた自宅に不法占拠して暮らしながら
チャックにも誰にも内緒で、以前と変わりない生活を装っているのだが
ダンはふとした拍子に彼の窮状を知ってしまう。

そこでそんな彼をどうにか助けたいと、
ダンはネイトにそれと気づかれないよう夕食に招待する。

So, Jenny, I still can’t believe you dropped out of Constance to become a designer.
ジェニー、君がまさか学校を辞めてデザイナーを目指すとはね。(ネイト)

It’s incredible how supportive my dad’s been.
ものすっごく理解があるパパでしょ。(ジェニー)

(中略)

What about you, Nate? How’s everything at home?
君はどうだい、ネイト? 家の方は?(ルーファス)

I know it’s been a tough year.
今年は大変だったろうね。(ルーファス)

Yeah, it has. But you know, we’re getting by.
ええ、本当に。 けどみんな何とかやってます。(ネイト)


drop out of~ 「~から離脱する、(学校を)中退する」。

incredible 「信じがたい、(信じられないほど)素晴らしい、すごい」。

そして get by は「(困難な状況を)何とか切り抜ける、どうにかしのぐ」、
実際に会話で使われる場合は、ネイトのセリフのように be getting by、
または How’s everything? 「調子はどう?」などの挨拶に対して
Just getting by「どうにかやってるよ」といった形が多いようです。

ネイトも本当の窮状をぶっちゃけて、周りを狼狽させるような人ではないので
こう答えるしかないよね・・・という感じでしょうか。

この後、彼の本当の暮らしぶりを知っているダンは
何も知らない父親のストレートな質問に慌てて話題を変えようとします。

少し前に読んだ本に、ウォームな優しさとホットな優しさという話が載っていて
ウォームな優しさとは、相手の心にむやみに踏み込まない、さりげない優しさ、
ホットな優しさとは、相手の懐にグイっと入って共感し、
問題があるなら一緒に解決しよう、というような優しさの事で
前者は若者に多く、後者は年長者に多い優しさのパターンという内容でした。

このウォームとホットの優しさは、その間合いを共有していない同士だと
ウザイと思われたり、逆に素っ気ない態度だと思われたりで
優しくありたい気持ちは同じなのに、すれ違ってしまうのだそうです。

多分このシーンのダンの振る舞いはウォームな優しさで
ネイトにそれと気づかれないよう、今夜は家に泊ってもらいたい、
彼にバツの悪い思いをさせずに助けてあげたい・・・という事で
現代の若者らしい優しさなんだなと思いました。



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