先日から「Yukio Mishima: The strange tale of Japan’s infamous novelist -「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」を読んでいます。
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(1)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(2)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(3)
Beauty and destruction
美と破壊Confessions of a Mask continues up to the end of the boy’s adolescence, detailing the entwined evolution of his internal and external lives and his homosexual awakening.
「仮面の告白」は、少年の思春期の終わりまで続き、彼の内外の生活と同性愛の目覚めが絡み合った進化を詳述している。
adolescence「青年期、思春期、年ごろ、青春」。
In many ways, it is the key to understanding Mishima’s later life and works.
色々な意味で、本作は三島の晩年と作品を理解するための鍵となる。
It reveals the roots of the aesthetic sensibility, so tied to his sexuality, which proved to be Mishima’s steering obsession.
それは美的感覚の根源を明かし、彼のセクシュアリティとも結びついており、自身の舵取りへの執着の証明にもなっている。
aesthetic「(特に芸術において)美の、審美的な、美的感覚のある、美学の」。
The narrator writes that he “sensuously accepted the creed of death that was popular during the war”, when conscription and self-sacrifice seemed certain and imminent,
物語の語り手は、徴兵と自己犠牲が確実に差し迫っていると見えたとき、彼は「戦時中に主流であった死の信条を感覚的に受け入れた」と書いており、
creed「(宗教上の)信経、信条、信念、主義、綱領」。
conscription「徴兵(制度)、徴集、徴募」。
imminent「今にも起こりそうな、差し迫った、切迫した」。
and indeed Mishima was forever fixated on the idea that beauty is most beautiful when it is transient
そして確かに三島は、美ははかない時こそ最高潮だという考えに永遠に固執していた、
fixate「定着させる、固定させる、凝視する、執着させる、固着させる」。
transient「一時の、瞬間的な、つかの間の、はかない、無常の、滞在の短い」。
- and above all on the cusp of destruction.
中でも破滅の瞬間こそが。
above all「とりわけ、中でも」。
on the cusp of~「~の最前線で、~の変わり目で、~の先端で」。
on the cusp of destruction(破滅・破壊の先端で)=「破滅の瞬間」。
This creed mingles with admiration for the male form, a form the frail narrator lacks, to produce fantasies of brave warriors and their bloody demises.
この信条は、虚弱な語り手には欠けている男性像への称賛と入り交じり、勇敢な戦士たちと彼らの血まみれの死という空想を生み出す。
mingle with~「混じる、混ぜる、交じる、かわるがわる話をする、一緒にする、入りまじる、つき合う」。
admiration「感嘆、感心、称賛、敬愛、憧れ、称賛の的」。
frail「もろい、薄弱・虚弱な、はかない、かよわい、悪の誘惑に陥りやすい、道徳的に弱い」。
demise「崩御、逝去、死去、(企業などの)消滅、活動停止」。
This private world of “Night and Blood and Death” was filled with the “most sophisticated of cruelties and the most exquisite of crimes”, all recounted with a cool detachment.
この「夜と血と死」の私的な世界は、「最も洗練された残虐行為と最も優雅な犯罪」で満たされ、全てが冷静に超然と語られる。
exquisite「非常に美しい、この上なく結構な、絶妙な、精巧な、優雅な、凝った、鋭敏な、強烈な」。
recount「詳しく話す、物語る」。
detachment「分離、脱離、孤立、超然としていること、公平、特派部隊、支隊」。
文中の Mishima’s steering obsession(三島の舵取り・操舵への執着・強迫観念)、これは「自分の人生の舵取りは自分でしたいという執着」と解釈しました。
最終的に、彼は自分自身の散り際(本来の寿命はもっと長かったはず)を決めて、散り方も決めて実行したという事実から、そういうことかなと思いました。
こういうのを読むと、やっぱり(彼自身の感覚で)醜い事、妥協して永らえるような事は、美学として出来ないようなところがあったような気がします。
今なお好奇心をくすぐられる人ですね。
理由は単純明快!「少ないコストでしっかり楽しく学べるから」。
私自身の経験(高機能でビックリ)をびっしり書いていますので、良かったら読んでみてください。
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