先日から「The Pursuit of Love: Britain’s most scandalous family -「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」を読んでいます。

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写真は左からユニティ、ダイアナ、ナンシー


・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(1)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(2)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(3)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(4)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(5)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(6)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(7)

The Mitfords were about excess,
ミットフォード家は過剰になりつつあり、

and if Diana was in love with England’s tinpot Hitler, Unity Mitford, whose desire to shock from a young age included bringing a rat to a Buckingham Palace garden party, went for the real thing.
ダイアナがイギリスの劣化版ヒトラーに恋をしたとすれば、幼い頃からバッキンガム宮殿のガーデンパーティにネズミを連れてくるなどして、人々に衝撃を与えたがっていたユニティは、さらに本物を求めていく。


tinpot「安っぽい、劣った」。

Her love for Adolf Hitler was complete and unyielding:
彼女のアドルフ・ヒトラーへの愛は完全かつ断固としたものであった、


unyielding「弾力に欠けた、硬い、がんこな、断固とした」。

she met him 140 times and carried a signed photo of him everywhere she went.
彼女はヒトラーと140回も面会し、サイン入りの写真をどこへも持ち歩いた。

(Mixed Up Mitford Girls Still Confusing Europe, read one newspaper headline in 1937.)
(1937年のある新聞の見出しには「ノイローゼ気味のミットフォード・ガールズが、ヨーロッパを混乱させている」と書かれていた。)


mixed up「頭の混乱した、不安定な、ノイローゼ気味の」。

But when Britain declared war on Germany in 1939, Unity could not withstand the psychic conflict it caused her.
だが1939年にイギリスがドイツに宣戦布告したとき、ユニティはそれがもたらす精神的な葛藤に耐えられなかった。


withstand「抵抗する、逆らう、我慢する、耐える」。

She shot herself in the head, and missed, lodging a bullet in her skull but surviving for another nine years.
彼女は自分の頭を撃って失敗、頭蓋骨には銃弾が残ったが、その後9年間生き延びた。

After her suicide attempt, Hitler appeared at her bedside, which for most people would be a nightmarish fever dream, but for her was tantamount to a declaration of love.
自殺未遂を起こした彼女の枕元にヒトラーが現れた事は、普通の人にすれば熱に浮かされて見る悪夢のようなものだろうが、彼女にとっては愛の告白と同等だった。


tantamount「同等で」。

She declined into what James Lees-Milne called “a gradually dissolving fantasy existence” before her death.
彼女は亡くなる前、ジェームズ・リース=ミルン曰く「徐々に解消されていく幻想的存在」のように衰えていった。



ユニティはヒトラーの熱烈なファンだったようで、彼の恋人エヴァ・ブラウンにも対抗心を燃やした事があったようです。

二人の間柄は生涯プラトニックであり、彼女の自殺未遂後はヒトラーが病院の手配や使者を通じた見舞いなど、手助けもしていたとか。

ユニティとのエピソードだけを見れば、若い友人を心配する善良な年長者と感じます。

彼女の目に映る彼は、一般的に知られる姿とはかなり異なっていたのでしょうね。

ただ頭蓋骨に残った弾丸の影響は深く、ユニティは徐々に記憶障害に陥り、病状が進むにつれ、あれほど熱烈に思っていたヒトラーの事もほぼ忘れてしまったのだそうです。


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