先日から「The Pursuit of Love: Britain’s most scandalous family -「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」を読んでいます。
写真は左からユニティ、ダイアナ、ナンシー
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(1)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(2)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(3)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(4)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(5)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(6)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(7)
・「愛の追跡:英国で最もスキャダラスな一族」(8)
(Not all the sisters had a bad war.
(姉妹全員にとって不吉な戦争だったわけではない。
Deborah contributed to The British Goat Society Yearbook 1972 with a report about her experience of travelling from the Scottish island of Mull to London by train at the outbreak of World War Two, with her goat.
デボラは、第二次世界大戦勃発時にスコットランドのマル島からロンドンまで、ヤギを連れて列車で移動した経験を『The British Goat Society Yearbook 1972』に寄稿している。
“At Stirling, in the middle of the night, I milked the goat in the first-class waiting room,” she wrote, “which I should not have done as I only had a third-class ticket.”)
「スターリングでは、真夜中に一等の待合室でヤギの乳を搾った」と彼女は書いているが「これは3等の切符しか持っていなかった私がしてはいけない事だった。」
But the sisters were nothing if not various,
だがこの姉妹は非常に個性様々で、
nothing if not~「この上もなく、非常に、まったくの、典型的な」。
and to balance its two Fascists, the Mitfords had a Communist in Jessica, who from childhood had felt the discomfort of her family’s privilege over “Ordinary People”.
2人のファシストのバランスをとるべくジェシカという共産主義者がおり、彼女は子供の頃から「普通の人々」に対する一族の特権に違和感を感じていた。
I pair her with Nancy as the other Writer in the family
私は家族のもう一人のライターとして、ナンシーと彼女を一組としている
- her memoir Hons and Rebels (1960, US title: Daughters and Rebels) is still in print, and her exposé of abuses in the US funeral home industry The American Way of Death (1963) was a bestseller
彼女の回想録『Hons and Rebels』(1960年、米国でのタイトルは『Daughters and Rebels』)は今でも出版されており、米国の葬儀業界の不正を暴いた『The American Way of Death』(1963年)はベストセラーになっている、
- but her father (who was, remember, “normal”) saw her as one of the Traitors, and cut her out of his estate,
しかし彼女の父親(あの「普通」の人)は、彼女を「裏切り者」の一人と見なし、彼女を遺産相続から切り離した、
with each item on his will dividing bequests among his daughters and ending with the words “except Jessica”.
彼の遺言書の各項目は、娘たちに遺産分割され、最後に「ジェシカを除く」という言葉で締められている。
bequest「(意思に基づく)遺産贈与・分配、遺産、形見」。
Red Sheep Cut Out of Will, said the papers.
赤い羊が遺言から切り離された、と新聞は書き立てた。
Jessica didn’t seem to mind, having made a life for herself in the US as an investigative reporter, where her phone was tapped by the FBI and she was hauled before the California State Committee on Un-American Activities.
ジェシカは気に留めていなかったようで、FBIに電話を盗聴されたり、カリフォルニア州非米活動委員会に連行されたりと、調査報道記者としてアメリカで過ごした。
(She pleaded the fifth amendment.)
(彼女は黙秘権を行使した。)
fifth amendment「米国憲法修正第5条(同一の犯罪について重ねて刑事責任を問われない権利、黙秘権などを認めた修正条項)」。
Well, as Fanny’s cousin Linda points out in The Pursuit of Love,
ファニーのいとこのリンダが『愛の追跡』で指摘しているように
“being a Conservative is much more restful… whereas Communism seems to eat up all one’s life and energy.”
「保守主義者である方がずっと平穏・・・反して共産主義は人生とエネルギーを全て食いつぶしてしまうらしい」。
whereas「~であるのに、ところが(事実は)、 ~に反して」。
気骨がある五女・ジェシカ、親の遺産も相続せず、アメリカでジャーナリスト・活動家として生きたんですね。
彼女が遺産相続から外された理由は、それだけを聞くと気の毒にも感じますが、ウィキによると「自分がインチ・ケネス島(スコットランドの島)を相続したら、それをポルシェビキ(ソビエト連邦共産党の前身)に譲る」と公言していたためとありました。
娘が可愛い可愛くないの前に、彼女の両親からすれば、自国の一部をロシアの共産主義勢力に握られるのはまずいと考えてもおかしくありません。
社交界で派手に名を残すよりも、自分の思想に忠実に生きたという感じで、ダイアナやデボラとはまた違うドラマティックな人生だなあと思います。
理由は単純明快!「少ないコストでしっかり楽しく学べるから」。
私自身の経験(高機能でビックリ)をびっしり書いていますので、良かったら読んでみてください。
下のバナーからどうぞ!