先日から「Philip K Dick: the writer who witnessed the future -「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」を読んでいます。


・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(1)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(2)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(3)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(4)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(5)

Dick was altogether anti-establishment:
要するにディックとは反体制的であり、

his stories feature authorities and companies consistently abusing their power, especially when it comes to surveillance.
特に監視に関しては、当局や企業が一貫して権力を濫用するさまが彼の物語の特徴だ。

His worlds are ultra-commodified and their citizens addicted to materialism,
彼の世界は超商品的で、市民は物質主義に溺れ、

while celebrity, media and politics meld to create nightmarish, authoritarian scenarios, usually topped off with a heavy dose of technocracy and bureaucracy.
セレブリティ、メディア、政治が融合して悪夢のような権威主義的シナリオを作り、大抵は技術主義と官僚主義を多用している。

This bureaucracy manifested itself in various forms throughout his work.
この官僚主義は、彼の作品を通じて様々な形で現れている。

In his 1974 novel Flow My Tears, the Policeman Said, set in a dystopian 1988 where the US is again ruled by a dictatorship,
1974年に発表した小説「流れよ我が涙、と警官は言った」では、アメリカが再び独裁政権に支配されるディストピア、1988年を舞台に


dictatorship「独裁者の地位、絶対権、独裁権・制」。

a singer and TV host called Jason Taverner wakes up to find himself in a world in which he is suddenly no longer famous and lacks the many documents now required to avoid being arrested and sent to a labour camp.
歌手でテレビ司会者のジェイソン・タヴァナーが目を覚ますと、突然有名人ではなくなり、逮捕されて労働キャンプに送られないために必要な書類を持っていない世界にいると気づく。

Taverner may struggle to get beyond the basic spot checks and cordons in Flow My Tears, but other Dick characters struggle to do the most basic things, even in their own homes.
タヴァナーは物語の中で、基本的な抜き打ち検査や非常線を超えることに苦労するが、他のディックのキャラクターも、自分の家の中でさえ、最も基本的なことをするのに苦労している。


spot check「抽出検査、抜き打ち検査」。

cordon「哨(しょう)兵線、非常線、交通遮断線、飾りひも、綬章」。

In the 1969 novel Ubik, a character ends up arguing with the door to his apartment, as he doesn’t have the change to get in via its coin-operated mechanism.
1969年の小説「ユービック」では、登場人物が自分のアパートのコイン式ドアに入るための小銭がなく、口論になるシーンがある。

The door even threatens to sue him when he tries to break it down.
彼が壊そうとすると、ドアに訴えるぞと脅迫までされるのだ。

Every aspect of the lived experience becomes commodified in Dick’s work, an aspect that feels deeply poignant.
ディックの作品では、生活体験のあらゆる側面が商品化されており、そこが強く心に訴える。


poignant「胸を刺すような、激しい、強烈な、強く心に訴える、辛辣な、鋭い、つんと鼻にくる、ぴりっと辛い」。

Dick sees a paywall future, where the amenities of our own homes all require a token offering,
彼は自宅設備の全てがトークンを必要とする、課金方式になる未来を見ているようだ、


paywall「有料の壁、課金者しかアクセスできないコンテンツを持つウェブサイトの機能」。

even if today that offering is personal information rather than loose change.
今のところ、それは小銭ではなく個人情報であるかもしれないが。



最後にめちゃくちゃ怖い一文が。

言われてみれば、すでにそうなっていますよね。

会員登録をしたら先が閲覧出来ますとか、ポイントあげますとか、あれはお金の代わりに個人情報の提供によって、paywall「有料の壁」を通っていることになるんですね。

今は段々世の中が所有から共有に向かっていますが、ディックの想像した「全てがトークンを必要とする課金方式の未来」への布石だったら怖いなあと思ってしまいました。


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