先日から「Philip K Dick: the writer who witnessed the future -「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」を読んでいます。
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(1)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(2)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(3)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(4)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(5)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(6)
Putting aside Dick’s ability to foreshadow the future we now take for granted,
ディックの、今の私たちが当たり前と思う未来を予見する才能はさておき、
his most unnerving vision was of the world itself ultimately being a simulation.
最も不安を誘うのは、突き詰めるとこの世界そのものがシミュレーションであるという、彼のビジョンだ。
unnerve「気力を奪う、おじけづかせる、落胆・狼狽させる」。
Dick’s reality was already a fragile and complex one.
ディックの現実は、すでに脆く複雑になっていた。
In many of his later books, the idea of reality being a façade grew as a dominant theme.
後期の著作の多くで、現実は見せかけであるという考え方が支配的テーマとして増大していく。
façade「(建物の)正面、(しばしば実体より立派な事物の)見かけ・外見」。
“Dick argued we were existing in a simulation,” Peake suggests.
「ディックは、私たちはシミュレーションの中にいると主張しました」と、ピーク氏。
“Elon Musk caused controversy quite recently by effectively venturing the same idea.”
「イーロン・マスク氏が最近、同じ考えを実際に表明して、物議を醸したばかりです。」
venture「冒険的・投機的企業、投機、思惑、(意見などを)思い切って言う、思い切ってやる・乗り出す・試みる、敢行する」。
Whether his visions were, as he believed, a product of glitches in the simulation or his fading mental health, one thing is for certain:
彼が信じていたように、そのビジョンがシミュレーションの故障から来たものなのか、それとも彼の悪化した精神状態のせいなのか、いずれにせよ一つ確かな事、
glitch「(機器に生じる)問題、故障、誤作動、異常、ミス、(計画の)狂い」。
the world in which the work of Philip K Dick is celebrated today feels ever closer to the ones imagined by this most unique and exceptional of writers.
それは今日の、フィリップ・K・ディックの作品が賞賛されるこの世界は、この最もユニークかつ異色な作家が想像した姿に、ますます近づいているということだ。
- 完 -
この世はシミュレーションである、ディック氏と同じくイーロン・マスク氏もそう思っていると。
これはもう「マトリックス」とか「トゥルーマン・ショー」の世界観ですが、昔から映画は、この世の本当の姿を庶民にチラ見せする装置だという説もあり・・・どこぞの天才・異才達はかなり昔から、一定数そういう考えを持っていたのかもしれませんね。
今の自分が感じているこの世界が精巧な作り物だったとして、金魚鉢の金魚が「自分たちは金魚鉢に居る」と気づいたとして、じゃあその金魚に何か出来るんだろうか?と思うと、結局どっちでもいいような(笑)・・・しかしシミュレーションのバグによって、それに気づいている人が、世界中に居るのかもしれませんね。
理由は単純明快!「少ないコストでしっかり楽しく学べるから」。
私自身の経験(高機能でビックリ)をびっしり書いていますので、良かったら読んでみてください。
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