先日から「Philip K Dick: the writer who witnessed the future -「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」を読んでいます。


・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(1)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(2)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(3)
・「フィリップ・K・ディック:未来を目撃した作家」(4)

In the 1954 short story Sales Pitch, for example, the idea of aggressive yet unnervingly personalised advertising finds fruition in a demented machine that constantly markets itself at the story’s protagonist.
例えば、1954年の短編小説「CM地獄」では、攻撃的かつ気色悪いほど個人的な広告のアイデアが、物語の主人公に絶えず売り込みをかける、狂った機械となって結実している。


dement「発狂する、痴呆にする、認知症になる」。

protagonist「(演劇・物語などの)主役、主人公、主唱者、指導者」。

In the 1964 novel The Simulacra, on the other hand, advertising is embodied by a mechanical fly-like creature.
一方、1964年の小説「シミュラクラ」では、広告は機械的なハエのような生物によって具現化されている。

As he writes in the novel, the “commercial, fly-sized, began to buzz out its message as soon as it managed to force entry.
小説の中で彼が書いているように「ハエの大きさのCMは、なんとか侵入するや否や、メッセージをブンブン言い始めた。

‘Say! Haven’t you sometimes said to yourself, I’ll bet other people in restaurants can see me!’”.
 『そういえば、レストランで他の人に見られているんじゃないか』と思ったことはありませんか?」

It’s a physical equivalent of spam or tailored adverts popping up on social media.
これらは物理的に、ソーシャルメディアに表示されるスパムメールや個人向け広告に相当するものだ。


Dick’s political ideas

ディックの政治的思想

Dick’s work often had a political dimension, too.
ディックの作品は、しばしば政治的な側面も持っていた。

The Man in the High Castle, for example, imagines an alternative history in which the Nazis won World War Two.
例えば「高い城の男」では、第二次世界大戦でナチスが勝利したという歴史改変SFだ。

In lesser-known works such as Eye in the Sky (1957), this politics is more of its period.
「宇宙の眼」(1957年)のようなあまり知られていない作品では、政治性はよりその時代を反映している。

In the novel, a group of people become stuck in various different worlds conjured by each individual, thanks to a malfunctioning particle accelerator.
この小説は、粒子加速器の故障により、各人が思い描く様々な異世界に閉じ込められてしまった人々の物語である。

The narrative focuses especially on a world dreamed up by a communist member of the group who has been dismissed from the laboratory for holding such beliefs.
物語は特に、そのような信念を持ったために研究所を解雇された、共産主義者のメンバーが夢想する世界に焦点を当てている。

The twist is that the world conjured with obvious over-the-top Marxist leanings is, in fact, the product of the lab security chief who is also a communist but in secret.
この話のひねりは、マルクス主義的な傾向が大っぴらなその世界は、実は研究所の警備主任が秘かに共産主義者であることから生まれたものだった、という展開だ。

The book showed that Dick’s politics could not be simplified into a straightforward description of left or right,
この本は、ディックの政治思想が右か左かといった単純なものではなく、

as he was biting in his attacks on both the McCarthy-esque witch hunts of the period as well as the more evangelical leanings of communism.
当時のマッカーシー的な魔女狩りと、より福音主義的な傾向の共産主義の両方を鋭く攻撃していたことを示す。



短編小説「CM地獄」はあらすじを見たところ、まあ恐ろしい話でした。

ある日ピンポーン、とお手伝いロボットが自分を売り込みにやってくる。

いくら要らない、と言っても、自分の有能さを無料でまずは見て欲しいと、あらゆる雑用から家事、確定申告や各種手続き、あげくご主人様の代わりに自分が会社に出社して働く(法律で認められている)ことまで引き受けますというロボット。

すっかりこのお手伝いロボットを気に入った奥さんに、自分を購入する場合の最適なローン計画まで提案してくれる。

夫は宣伝の押しつけにウンザリしつつ、さて最後は・・・?。

何か「世にも奇妙な物語」とかにありそうな話です。

そして「シミュラクラ」では広告を常に発信してくるハエ型ガジェット(笑)、想像するだけでうるさくて敵いません。

でもこれは形は違えど、現在オンラインで見られる各種個人向け広告にそっくり。

スマホやタブレットというガジェットの中にもう広告部隊が住み着いて、CM合戦を繰り広げているんですよね。

人が生きている限り、物やサービスを使い続ける限り、広告も生き物のように進化し続け、やがて人間の心理を操るほどになる、そこにゾッとするのかなという気がします。


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