BBCを英語で読む「チャールズ国王のダイヤモンドが語る地球の深層」(1)

今日から「How King Charles' diamonds reveal Earth's deep secrets -「チャールズ国王のダイヤモンドが語る地球の深層」を読んでいます。 Embed from Getty Images

The package arrived in a plain cardboard box.

その小包は、何の変哲もない段ボール箱で届いた。

It was simply addressed to S Neumann & Co - a mining sales agency in the centre of London - and weighed just over a pound (around 500g).

宛先は、ロンドン中心部にある鉱山販売会社S Neumann & Co、重さは1ポンド強(約500g)。

But this was no ordinary cargo.

だがこれは普通の貨物ではなかった。

It was April 1905, and three months earlier, the surface manager at the Premier Mine in South Africa had been completing a routine inspection 18ft (5.4m) underground, when he glimpsed a reflected light in the rough wall above him.

1905年4月、南アフリカのプレミア鉱山の地上責任者は、その3カ月前、地下18フィート(5.4メートル)の定期点検を終えたとき、頭上の壁面に反射する光を垣間見た。

He assumed it was a large piece of glass hammered in by colleagues as a practical joke.

彼はその時、それを同僚が悪ふざけで打ち込んだ大きなガラス片だと思った。

Just in case, out came his pocket knife, and after some digging… the knife promptly snapped.

念のためポケットナイフを取り出し、少し探ってみる・・・と、ナイフはすぐに折れてしまった。

Eventually the rock was removed successfully, and revealed to be a bona fide diamond

結局、その石は無事に取り出され、正真正銘のダイヤモンドであることが判明、

bona fide「(語源はラテン語 / 偽物ではなく)本物・正真正銘の、真正な、誠実に、誠意を持って」。

  • a monster 3,106.75-carat stone, almost the size of a fist.

こぶし大の3,106.75カラットというモンスター級の石だった。

It was not only enormous, but unusually transparent.

そして巨大なだけでなく、異常なまでの透明度。

The Cullinan, as it became known, is the largest diamond ever found.

こうして発見された「カリナン(Cullinan)」と呼ばれるこのダイヤモンドは、これまで発掘された中では最大のものだ。

Once it had been polished and cleaved into several more manageable stones,

原石を磨き上げ、いくつかの扱いやすい大きさに割ってみると

cleave「(斧などで木目・劈開[へきかい]面にそって)裂く、割る、切り開いて進む、かき分けて進む、分裂させる、隔離する」。

the largest crystal it yielded would shine like the cool glow of a star in a distant galaxy.

一番大きな結晶は、遥か銀河の星のごとき輝きを放つと思われた。

As a result, this diamond - the Cullinan I - is sometimes known as the Great Star of Africa.

そのため、このダイヤモンド(カリナンI)は、「偉大なアフリカの星」と呼ばれることもある。

カリナンは、普段はロンドン塔に展示されている王笏(君主が持つ象徴的かつ装飾的な杖)に嵌められているダイヤモンドですね。 今年5月に行われるチャールズ3世の戴冠式で、その姿を見られることと思います。 そして王冠の方には、カリナンIIが嵌っています。 どちらも一般人がめったに見る機会のない宝物、今から中継を楽しみにしています。 カリナンIが、530カラット超。 カリナンIIが、317.4カラット。 20年くらい前、上野の博物館で展示されたデビアスのミレニアムスターが、203.04カラット。 ミレニアムスターもかなり大きくてビックリしましたが、カリナンIはその2倍以上の大きさ。 昭和の頃、ジュエルリングという、特大のダイヤ型キャンディがついた指輪型の飴菓子がありまして、私もよく買ってもらっていたんですが・・・あれでも到底かないません(笑)。 しかし最近、このカリナンを返してほしいという話が持ち上がっているとか。 南アフリカとのこの話はどう決着するのか、そちらの動向も気になるところですが、早速先を読んでいきましょう!

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