先日から「Stendhal syndrome: The travel syndrome that causes panic -「旅行中にパニックを起こすスタンダール症候群」を読んでいます。
・「旅行中にパニックを起こすスタンダール症候群」(1)
・「旅行中にパニックを起こすスタンダール症候群」(2)
・「旅行中にパニックを起こすスタンダール症候群」(3)
Thankfully, Olmastroni made a full recovery – partly thanks to a defibrillator which had been installed the day before his visit, and partly due to the nearby presence of four doctors, including two Sicilian cardiologists who happened to be visiting the Uffizi that day.
前日に設置された除細動器と、その日ウフィツィ美術館を訪れていたシチリアの循環器専門医2人を含む4人の医師が近くにいたこともあり、オルマストローニ氏は幸いにも完全に回復した。
defibrillator「除細動器」。
He calls them his “guardian angels”.
氏は彼らを「守護天使」と呼ぶ。
Had he suffered his heart attack at home, it might have been a different story;
もし彼が自宅で心臓発作を起こしていたら、話は違っていたかもしれない、
perhaps, far from causing him to fall ill, Florence’s treasure trove of art saved his life.
フィレンツェの芸術の宝箱は、彼を病気にするどころか、彼の命を救ったのかもしれない。
treasure trove「埋蔵物、貴重な発見(物)」。
The issue that many professionals have with describing Stendhal syndrome as its own psychiatric disorder is that its symptoms are so hard to parse from those of more general afflictions that commonly affect tourists.
スタンダール症候群を独自の精神疾患とすることを、多くの専門家が問題視するのは、その症状が観光客によく見られる一般的な疾患と区別しにくいという点からだ。
“Sometimes at the Uffizi, certain visitors have heart attacks, or feel sick,” said Cristina de Loreto, a psychotherapist who lives and works in Florence.
「ウフィツィ美術館では、時々心臓発作を起こしたり、気分が悪くなる人がいます」と話すのは、フィレンツェ在住の心理療法士、クリスティーナ・デ・ロレート氏。
“But it could just be being in an enclosed space with hundreds of other people.
「しかしその理由は、何百という人たちと一緒に閉ざされた空間にいるからかもしれません。
It could be agoraphobia, not Botticelli.”
ならばボッティチェリのせいではなく、広場恐怖症かも。」
agoraphobia「広場恐怖症」。
An emotional reaction to art, she said, does not constitute a psychiatric disorder, even if it leads or contributes to distressing or dangerous symptoms.
芸術に対する感情的な反応は、たとえそれが苦痛や危険な症状につながったり、その一因となったりしても、精神疾患にはならないと彼女は言う。
“At the moment when you’re observing a piece of art, there are specific brain areas that are activated
「作品を観察している時、特定の脳領域が活性化します、
- it’s like when you see a beautiful man or woman – but it isn’t enough to say it’s a syndrome.
それは美しい男女を見たときのように、ですがそれだけでは症候群とは言えません。
It’s not yet validated, and you can’t find it in the DSM-5, our manual of mental disorders.”
まだ検証もされていませんし、精神疾患のマニュアルであるDSM-5にも載っていません。」
現実的に見るとスタンダール症候群とは、芸術が引き起こす症状というより、その他の要因からくるものかもしれないと。
専門医からは、特定の条件や症状があるわけではなく区別しづらい、そんな疾患は本当にあるのか疑問・・・という話で、一気にロマンはなくなりましたが(笑)ある症状を「病気」と位置づけるには慎重な判定が必要なのは確かですよね。
理由は単純明快!「少ないコストでしっかり楽しく学べるから」。
私自身の経験(高機能でビックリ)をびっしり書いていますので、良かったら読んでみてください。
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