ブレイキング・バッド シーズン4 第6話より:
drive a wedge between~
~の間を決裂させる、仲を裂く
ガスの部下・マイクに拉致されたジェシーがひょっこり職場に現れる。
ジェシーはマイクに仕事中の護衛を頼まれ、
自分は立派に役割を果たしたと鼻高々で報告するが、ウォルターには一連の話が
ガスとマイクによって仕立てられた芝居に感じられた。
案の定、この一件でジェシーの気持ちは、常々彼を無能扱いするウォルターから
自分を必要としてくれるマイクに傾き始めたようであり
それはガスにとっては厄介者のジャンキー、
しかしウォルターの手前、手を出せずにいるジェシーを葬り去るための一手であると
ウォルターには感じられるのだった。
I see this thing probably started as Gus getting Mike to babysit me.
もしかしたらガスがマイクに俺のお守りを言いつけたのかもな。(ジェシー)
But you know what? I saved Mike from getting robbed, even killed, maybe.
けど知ってるか? 俺はマイクを強盗から守ったんだぜ、下手すりゃ死んでたかもしれないところをさ。(ジェシー)
(中略)
Keep your friends close, keep your enemies closer.
友は身近に置け、敵はもっと身近に置け、ってことだ。(ウォルター)
Like you said, Gus can’t kill you because of me.
お前が言った通り、ガスはお前を殺さないだろう、私が控えているからな。(ウォルター)
He knows I won’t stand for it.
彼は私がそれを許さないことを分かってる。(ウォルター)
He needs me, and he hates the fact that he needs me, so what does he do?
ガスには私が必要だ、だがその事実は気にいらない、となると彼はどうすると思う?(ウォルター)
He goes to work driving a wedge between you and me.
私たちの仲を引き裂こうと考えるだろうさ。(ウォルター)
Keep your friends close, keep your enemies closer は
映画「ゴッドファーザー II」の有名なセリフからの引用で
「敵を討つには敵をよく知らねばならない」ということです。
↑セリフは3分33秒辺りに出てきます。
映画では二代目のドンであるマイケルが、
父の初代ドン・コルレオーネから教わった事として登場するセリフで
マイケルの命を狙ったロスという男に早速報復しよう!と提案する部下に対し
まずヤツに近づいて仲良くなれ、信頼させろと命じる場面から来ています。
敵を完璧に、根こそぎ倒すために、まずは懐に入り込み油断させろ、ということで
マイケルって人は、本当に敵にまわしたくない人ですが
どうやらガスも同じタイプだとウォルターは見ているようです。
stand for~ 「~を我慢する」。
そして drive a wedge between は「~の間を決裂させる、仲を裂く」という意味で
ここでは、厄介者のジェシーを始末し、その後もウォルターに仕事を続けさせるには
二人の仲を裂くのが得策だとガスは考えているということです。
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