モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン2 第7話より:

kick (someone / something) to the curb
~をお払い箱にする、~を見捨てる・冷遇する


NY交響楽団の行く末を占うミーティングが開かれ
シンシアをはじめとする楽団員、そして経営陣が一堂に会する。

なるべく穏やかに話し合いたいシンシアをよそに
楽団員の弁護士ニーナは、経営陣と真っ向からぶつかり
可能な限りの厚遇を引き出そうとアグレッシブに挑む。

Thank you for coming in. We have a response.
皆さん、お越しくださってありがとう。我々の回答が出ました。(経営陣)

I think we’ve made some real progress here.
歩み寄りが見られる内容かと思いますよ。(経営陣)

(中略)

You see we’ve upped the base salary for incoming musicians.
新規団員の賃金を上げました。(経営陣)

We’ve compromised on the tenure issue.
終身雇用の件でも譲歩しています。(経営陣)

There’s been zero movement on pension or health and zero cost-of-living increases.
年金と保険は変わってないし、生計費の調整もない。(ニーナ)

Given the underlying economics…
なにぶん資金難でして・・・(経営陣)

The underlying economics are that you are right now soliciting massive donations for a new symphony hall,
新ホール建設のために巨額の寄付を募っているのに、(ニーナ)

while kicking your orchestra to the curb.
楽団員は冷遇なのね。(ニーナ)


make (a / some) progress「(幾らかの)前進がある、進歩が見られる」。

base salary「基本給」。

compromise「妥協する、和解する、歩み寄る」。

tenure「(不動産等の)保有、保持、(役職などの)任期、(大学教授等の)終身在職権」。

tenure は ケンブリッジ辞書によると
the right to remain permanently in a job(その役職にずっと残れる権利)
=「終身雇用」と受け取れます。

movement「移動、動き、動作」。

cost of living「(標準的な生活を維持できる)生計費」。

zero cost-of-living increases(生計費上昇の調整がゼロである)、
もしこの先、物価上昇等で生計費も上がった場合に、
その分を上乗せ調整する約束がない、という事ですね。

underlie「~の下に横たわる、~の基礎にある、~が根底にある」。

solicit~「~を勧誘する、~を懇願する、~をせがむ」。

soliciting massive donations(巨額の寄付を募っている)。

そして kick (someone / something) to the curb は
直訳すると「(人、物を)縁石・道路脇に蹴りつける」、
そこから「~をお払い箱にする、~を見捨てる・冷遇する」となります。

部屋の片づけ等でも、いらないもの、ガラクタなんかを一旦端に寄せておいたり
適当な隙間に突っ込んでおいたりしますが(え、しません?笑)
そんな感じで「雑な扱い、粗末な扱いをする」といった表現です。

ニーナは話し合いのしょっぱなから威勢よく、ブンブン飛ばしていますが
果たして楽団員にとって良い条件を引き出せるでしょうか。


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