モーツァルト・イン・ザ・ジャングル シーズン1 第4話より:

go into battle
戦いに出る、出陣する


音楽監督・トーマスの愛人であり楽団員でもあるシンシアは
老齢で体調を崩した前任者に変わり、楽団員組合の委員長に就任する。

NY交響楽団は財政難を理由に、団員の保険や年金の大幅カットを断行しており
彼女の役目はこれ以上の予算カットの食い止めと
団員たちの待遇向上のために上層部と交渉することである。

そして早速団員たちは、新しい委員長・シンシアに細かな不満を延べ始める。

What the hell are we going to do about this refrigerator situation?
冷蔵庫の問題はどうする気だ?(楽団員)

(中略)

It’s full of stinky old Chinese food.
いつも腐った中華料理で一杯なんだよ。(楽団員)

(中略)

Point is, my new medication says keep refrigerated, and there’s no room.
問題は、とにかく冷蔵庫が満杯で、私の要冷蔵の薬が入らない事だ。(楽団員)

Okay. Well, go into battle for a bigger fridge.
分かった。 大型冷蔵庫に替えるべく戦いましょう。(シンシア)

Really, we will. I’ll put it on the list.
本当よ。 リストに加えておくわ。(シンシア)


stinky「臭い、悪臭のする」。

字幕では stinky old(古くて臭い)「腐った」となっています。

誰かと共同で冷蔵庫を使うとたまにありますね、
いい加減、処分してくれよっていう・・・。

medication「薬物治療、処方箋薬」。

keep refrigerated「要冷蔵」。

no room「~する余地がない、~する場所がない」。

room は「部屋、空間、余裕」で no room は文字通り「部屋がない」を意味する事もありますが
「場所・余裕がない」という意味で使われることも多いです。

そして go into battle は「戦いに出る、出陣する」。

予算をカットしたい上層部に、新しく大きな冷蔵庫を買ってもらうことは難しく、
その意味でシンシアは(上層部との)戦いに挑むこととなります。

Googleで「オーケストラ 財政難」と検索したら、日本はおろか
世界中のオーケストラが資金難で苦しんでいるという記事がたくさん出て来ました。

このドラマでも、タキシードがもうボロボロ、という話が出てきたりしますが
芸術で食べてゆくのは何処でも本当に大変そうです。

トーマスもロドリゴも、聴衆からマエストロと呼ばれ、才能を称賛されていますが
一方で運営資金集めのパーティに駆り出される様子も描かれていて
オーケストラの世界が華やかで美しいだけではない事も
しっかり見せているところが好きです。

中世の時代ならメディチ家のようなスポンサーがついて
芸術家たちは優雅な生活が出来たのかもしれませんが
現代社会では、芸術に理解あるスポンサーを探すのも一苦労のようです。


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