先日から「Yukio Mishima: The strange tale of Japan’s infamous novelist -「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」を読んでいます。

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「天人五衰」を書き上げ、彼の世界が終わりを迎える。

・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(1)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(2)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(3)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(4)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(5)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(6)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(7)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(8)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(9)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(10)
・「三島由紀夫:悪名高き作家の奇妙な物語」(11)

Compared to Mishima’s early works, The Sea of Fertility contains much dense philosophising.
三島の初期の作品と比較すると「豊饒の海」には思索が多く含まれている。

And, after the second, the volumes feel rushed, becoming increasingly slim.
そして二巻目以降はどこか急ぎ足で、それがどんどん薄まっていく。


volume「量、体積、容積、(書物の)巻、出来高、音量、ボリューム」。

Mishima wrote most of the final volume, The Decay of the Angel, during a seaside family holiday in August 1970.
三島は最終巻「天人五衰」のほとんどを、1970年8月の海辺での家族休暇中に書いた。

In a letter dated 18 November, 1970, to a mentor of his, Fumio Kiyomizu, Mishima wrote, “To me, finishing this [book] is nothing more than the end of the world.”
三島は師である清水文雄へ宛てた、1970年11月18日付けの手紙の中で「私にとって、これ(本)を完成させることは、世界の終わりに他ならない」と書いている。

The last lines of The Decay of the Angel are very still.
「天人五衰」の最後はとても静かだ。

“It was a bright, quiet garden, without striking features.
「これと云って奇巧のない、閑雅な、明るくひらいたお庭である。

Like a rosary rubbed between the hands, the shrilling of cicadas held sway.
数珠を繰るような蝉の声がここを領している。

There was no other sound.
そのほかには何一つ音とてなく、寂寞(じゃくまく)を極めている。

The garden was empty.
この庭には何もない。

He had come, thought Honda, to a place that had no memories, nothing.
記憶もなければ何もないところへ、自分は来てしまったと本多は思った。

The noontide sun of summer flowed over the still garden.”
庭は夏の日ざかりの日を浴びてしんとしている。」



- 完 -

この「天人五衰(てんにんのごすい)」とは仏教用語で、天界に居る長寿の天人に現れる死の直前の5つの兆しの事で、仏典によっても異なるようですが

1.衣裳垢膩(えしょうこうじ):衣服が垢じみる
2.頭上華萎(ずじょうかい):頭上の冠の華が萎える
3.身体臭穢(しんたいしゅうわい):身体が汚れて臭い出す
4.腋下汗出(えきげかんしゅつ):腋の下から汗が流れ出る
5.不楽本座(ふらくほんざ):本来の座(天界での暮らし)を楽しめなくなる

となっています(Wikipediaより)。

何だか人間の老いにも当てはまるような気が・・・。

1.衣裳垢膩:同じ服を着続けて垢じみる
2.頭上華萎:毛髪が寂しくなる
3.身体臭穢:加齢臭
4.腋下汗出:更年期
5.不楽本座:日々に張り合いがない

であれば逆にこれらに留意する事が、若々しく生気溢れる日々を送る秘訣なのかも?

そういえば昔祖母が「もういつお迎えが来ても良い」とたまに言っていて、「不思議だなあ、怖くないのかなあ」と思っていたんですが、あれも今思うと「不楽本座」の境地だったのかもと、ふと思いました。

年齢というよりも、この世に興味や驚き、楽しさが無くなってしまう時が、一番危ういときなのかもしれませんね。


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